犬のお悩み体験談

【自分で挑戦。犬のカット】トリマーが解説。バリカンの方法やコツ

トリミング

毎月のトリミング代を節約したい、愛犬らしいお洒落を楽しみたい!今、自宅で家族がバリカンを使いお手入れを済ませるケースが増えています。今回は犬用のバリカンを用いて、自宅で出来るお手入れ方法についてご説明させていただきます。

バリカンを使って犬のカット。まずその手順について。

バリカンを使い被毛をカットする場合、まず最初に全身のブラッシングを終えておきましょう。絡まりやもつれがあると、バリカンの歯が引っ掛かり、怪我をする原因になります。愛犬の全身を隅々までしっかりとブラッシングしておきましょう。

《ブラッシングのポイントは》
(1)スリッカーで被毛の絡まりや汚れを取りのぞく
(2)コーム(平櫛)で毛並みを整える
(3)コームを使用しスムーズな櫛通りになればOKです

脇や四肢などは意外に絡まりが多いので、しっかりと被毛の根元まで櫛を通しておきましょう。

次に、シャンプーをします。シャンプーで被毛の汚れや余分な皮脂を取り除き、完全に乾燥をさせてからバリカンへ進みます。この時、被毛が生乾きのままでバリカンをかけてしまうと、仕上がりの長さが揃わずに不格好になるので、しっかりと全身を乾燥させることが成功のカギです。

サマーカットにしたい、被毛を大幅に短くしたいという場合は、シャンプーの前に荒切りを済ませることもあります。刃の大きいバリカン(5mmや3mm)を用いて大まかな仕上がりラインをイメージして切りそろえておきます。

こうすることで、シャンプーやドライヤーの時間短縮につながります。ただしこの場合、1mmや2mmといった刃先の小さなバリカンを用いてしまうと、荒切りにも拘わらず、短く揃いすぎてしまうので注意しましょう。

犬のバリカンのやり方。コツや方法。

バリカンを用いる時は、体の面積の広い部分から進めてゆきます。犬の体で一番面積が広いのは背中です。愛犬をまっすぐな姿勢で立たせます。この時、飼い主の胸の部分に愛犬のオデコが付くような距離感と向きにすることが大切です。

その上で、愛犬のオデコを斜め下に向け、背筋をまっすぐ平らにします。愛犬の首元にバリカンをあて、そのまま背中をまっすぐと尾の付け根まで一気にバリカンを進めます。

この時、バリカンが左右にぶれてしまったり、途中で刃先を体から離してしまうとカットラインに段差が出来、不格好になるので注意しましょう。尾の付け根まで一気に進みます。

その後、最初に切り落としたラインを中心と考え、左右に少しずつズラしながら背中を切り終えます。背中の平な部分を切り終えてから、次は肩、脇腹、四肢、首、胸とそれぞれの部位を切りそろえてゆきます。

この時、バリカンの刃先は愛犬の毛並みに沿う向きで進めてゆくと、段差にならずに長さをそろえることが出来ます。

犬種によっては肩の筋肉は張っていたり、胸の部分の凹凸が大きい場合もあるので、無理をせずゆっくりと切りそろえてゆきましょう。

犬のバリカンに関してよくある勘違いですが、製品の替え刃のサイズと仕上がりの被毛の長さが合致していません。例えば5mmと書かれた替え刃を用いた場合、仕上がり後の被毛の長さが5mmいう意味ではありません。このサイズは刃の大きさを意味しています。

5mmサイズの替え刃を用いた場合、使用後の被毛の長さは2~3cmほどの毛足になるでしょう。多少犬種毎の毛質によって前後はするものの、触れた時にふわふわとした感触を感じられる程度に仕上がります。

同様に1mmと書かれた替え刃を用いた場合、刃先のサイズが1mmという意味です。これは女性がメイクに用いるシェーバーとほぼ同じサイズです。刃先が大変小さいので、滅多なことで怪我に至ることはありません。

《1mmの替え刃を用いる部位は》
〇足裏
〇肛門周り
〇プードルの顔をバリカンで剃る時
〇シュナウザーの耳をバリカンで剃る時

などに用います。仕上がりはほぼ地肌に近い状態にまでスッキリとそろえることが出来ます。

足裏トリミング

刃先が大きくなるということは、より自然な印象に仕上げることが出来るというメリットがある反面で、もしケガをさせてしまった場合のダメージも大きいと考えておきましょう。

自宅でバリカンを用いる場合は、1mmで部分的なお手入れを済ませ、3mmで気になる部分をカットするという目安が安心です。バリカンの使い方がわからないという場合は、メーカー各社のHPなどを参考にされると詳しい説明がありおすすめです。

犬のバリカン負けについてアドバイス

犬の皮膚は実は人間の赤ちゃんよりも薄くデリケートです。そのため、年齢や体質、バリカンの使い方によって「バリカン負け」を起こすことがあります。

バリカン負けの症状は人間と全く同じで、皮膚表面に細かな傷が出来、赤みを帯びています。状態や部位によっては、痛みよりも痒みを感じることもあります。出血はありませんが、患部からうっすらと血がにじむ程度はみられることがあります。

このバリカン負けは、トリミングショップでも起こることがあり、決して珍しいことではありません。サマーカットや全身を短く切りそろえる、これまでバリカンを用いていなかった部位をバリカンで仕上げるという場合にたびたび見られます。

大抵の場合、数時間で自然と赤みが消え、炎症がおさまるので特別な治療や通院は施しません。ただ愛犬が患部を気にする、舐めるという場合は雑菌感染のリスクを回避するために、動物病院の受診が好ましいでしょう。

また中には足裏や足指の間がバリカン負けしてしまうこともあります。このような場合、日々の生活で患部が刺激を受け、痛みが悪化することもあるので、念の為の通院が安心です。

バリカンを犬が怖がったり、嫌がったりする

怖がる犬

犬用のバリカンには様々な製品が発売されています。例えば家庭用製品はすでに1mmの刃が固定されているものがあります。これは足裏や肛門周りなどの部分的なお手入れを想定しています。
軽量で稼働スピードもゆっくりなので、初めての方でも安心して利用出来るでしょう。稼働音が小さいことも魅力の1つです。

またネットショップやペットショップでは、プロ仕様のバリカンも多く売られています。プロ仕様の製品は替え刃の取り外し、交換が出来ること、コードレスの製品も多々あります。

使用にあたってはパワーがあり、想い通りのカットに仕上げることが出来ます。ただ重量があること、そのパワーとスピードから恐怖心を与えてしまうこともあります。

愛犬がバリカンを嫌がる場合、まずその理由を考えてあげましょう。

《稼働音が苦手な場合は》
〇家庭用の小音設計の製品を利用する
〇ドライヤー中にあらかじめバリカンの電源を入れ、稼働させておく。使用直前にスイッチを入れるのではなく、あらかじめ稼働音を聞かせておくことで安心させるという方法があります。

また愛犬にスヌードをかぶらせ、音を軽減するという方法を用いるトリマーもいるので、愛犬にどの方法が効果的かを見極めてあげましょう。

次に犬がバリカンを嫌がる理由として多くみられるのは、バリカンの替え刃が熱を帯びてしまうことです。家庭でバリカンを使用する時、つい慎重に念入りにと考えてしまい、バリカンの進みが遅くなったり、連続して使い続けてしまうことがあります。

この結果、バリカンの刃が熱を帯び、愛犬の皮膚に触れた時に愛犬に不快感や恐怖心を与えています。

《バリカン刃の熱に対しては》
〇数分置きに休憩を入れ、バリカンの刃の熱をとってから再開をしましょう。
〇市販のプロ向け製品には、バリカンの刃を瞬時で冷却する専用スプレーもあります。このような製品を使えば、愛犬に不快な思いをさせずに家庭でお手入れを終えることも出来るでしょう。

また被毛に毛玉やもつれが残った状態でバリカンをかけてしまうと、バリカンの刃に被毛が絡まり、愛犬が痛い思いをすることになります。バリカンを使う前にしっかりと毛玉やもつれをとっておくことも、バリカンを嫌がらずに受け入れてもらう上で、重要なポイントです。

犬をバリカンでカットすると、毛が生えなくなったり毛質が変わってしまう!?

実は犬の被毛はとてもデリケートで、ベテラントリマーでも予測不可能な事態が起こります。それは一旦カットした被毛が元の状態に生え揃わない、毛質が変った、生えてはきたもののまばらな状態になってしまったというケースです。

これはチワワやダックス、シェルティなど本来はカットが必要とされていない犬種をカットした場合によくみられる症状です。

カットの方法はバリカンでもハサミでも大差はありません。またこれまで何度も生え揃っていたからと油断をすると、今回は生え揃わなかったというケースもあります。兄弟や親子、同じ犬種でもその結果は様々で事前の予測が出来ないことは覚悟しておきましょう。

プードルやシーズー、シュナウザーのように、犬種本来の特性で被毛が長く伸び続けるタイプ、定期的なカットが必要となるケースではこのようなケースはさほど見られません。

ただ加齢や体調によって若干の毛質や毛量の変化がみられることはあります。またプードルやシーズーはたびたびバリカンによるカットを繰り返すことで、毛質が硬くなる傾向があります。

逆にシュナウザーなどのテリア種は、バリカンやハサミでカットすることで毛質がふわふわと柔らかくなり、テリア種特有の硬い毛質から離れてしまいます。

最近は、犬種特有のカットスタイルを保ち続けることにさほどこだわらない、という方が増えています。犬種のあるべき姿、ドッグショーでのスタンダードを踏襲するよりも、家族だからこそ見つけることの出来るチャームポイントを、アレンジしたオリジナルカットを楽しむ方がより素敵だと思えるからでしょう。

お風呂に入る犬

まとめ

    ・バリカン前に全身をくまなくブラッシングする
    ・ブラッシング後、シャンプーをして被毛をしっかりと乾かす
    ・バリカンは体の面積の広い部分(背中)から進める
    ・バリカン刃のmm数は、被毛の仕上がりの長さではない
    ・バリカンを嫌がる場合、その理由が何なのかを考える
    ・もしバリカン負けを起こしてしまった場合、症状によっては受診する