犬のお悩み体験談

トリマーが解説。犬の爪切り方法とコツ

犬の爪を切っている
人と違い、犬の爪には血管が通っていることをご存じの方も多いでしょう。それゆえなんだか怖くて愛犬の爪を切るのを躊躇してしまったり、過去に犬の爪切りに失敗してしまった経験があったり。そんな飼い主さんに向けてプロトリマーがアドバイス。

犬の爪切りをするのに揃えておくと便利な道具。切り方のヒントや、よくある疑問点まで。ポイントさえ掴んでしまえばそんなに難しいことではありません。Let’s try a challenge!!

犬の爪切り道具。まずは3種類の道具を揃えよう

犬の爪を切るには下記の3種類の道具があると便利です。ここではその3種類の道具について詳しく説明していきます。

<1> 爪切り(ギロチンタイプorニッパータイプ)
<2> ヤスリ
<3> 止血剤


<1>爪切り(ギロチンタイプ)

犬爪切りギロチン 〇ギロチンタイプの爪切りは、多くのペットサロンでも使用される主流のタイプです。ギロチンタイプの特徴は、少ない力で爪をカットできることです。

初めて目にする方は、持ち方に戸惑うかもしれませんが、実際爪を切る際に固定をしやすく動刃を目視できるので、初めての方にもおすすめです。サイズも小型犬・中型犬用から、大型犬用まであります。こちらのライフペットマニキュアの爪切りは、トリマーの専門学校でも使用されており、初めて爪を切る方でも使いやすいです。付属の爪ヤスリは簡易的なもので、目が粗く先端が尖った形状なので、慣れないうちは別売りのものを使用したほうがよいです。

爪切り(ニッパータイプ)

犬爪切りニッパー 〇ニッパータイプと呼ばれるタイプの爪切りです。構造はハサミと同じで、爪を挟んでカットします。爪が伸びすぎて、巻き爪になっている場合はニッパータイプが便利です。

通常でも使用可能ですが、動くわんちゃんの場合は手元がくるいやすく、きちんと保定しなければいけません。自身の力加減で切りますので、爪の厚い大型犬などは力が必要となります。
現在は、ギロチンタイプとニッパータイプの中間で、ピコックタイプと呼ばれる製品も発売されています。こちらも巻き爪を切るのに適しています。


<2>ヤスリ

犬の爪ヤスリ 〇こちらの日理サファイヤ爪ヤスリは、目も細かく爪をツルツルに仕上げることができます。ヤスリ部分がカーブした形状なので、爪の角をスムーズに削ることができオススメです。ヤスリの先端も丸くなっており、安全です。

切ったあとの爪は角が鋭く尖っているので、犬が体を掻く際に傷つかないように必ずヤスリをかけます。爪切りを購入すると、簡易的なヤスリが付属しているものもありますが、簡易的なものは使いずらいので、愛犬のサイズに合わせてヤスリもしっかりとしたものを選びましょう。


<3>止血剤

犬止血剤 〇文永堂薬品のクイックストップは犬の爪専用止血剤で、いちばんメジャーな商品で爪の出血を素早く止めます。粉末状なので、湿気には注意が必要です。

爪を深く切ってしまい出血した場合に止血する道具で、粉末状のものが一般的です。患部にすり込むことで、焼き止める働きをします。万が一に備え、必ず準備をして置くと安心です。


犬の爪切り方法やコツ

犬の爪切りに必要な道具を揃えたら、さっそくチャレンジしてみましょう!ここでは基本的な爪切りの手順と、気をつけたいポイントについて説明します。順を追って進めていきましょう。

犬の爪の絵

(1)親指と人差し指で、切ろうとしている爪の根元をしっかりと抑えます。抑えることで、切る際の支えになりぐらつきません。血が出てしまった場合にも、すぐに根元を圧迫し止血することができます。

< ポイント >
〇犬の脚を持つときは、全体の体勢がどうなっているのかを意識しましょう。無理な体勢は、嫌がる原因になります。犬が歩く動作と同じように、前後に足を持ち上げるのは大丈夫ですが、骨格上、横に持ち上げられるのに向いていません。
 
〇後肢は例外があり、膝を曲げた状態であれば横に持ち上げることができます。オス犬が足をあげておしっこをする体勢のイメージで、背中より上に持ち上げないように注意しましょう。

犬の爪を切っている

(2)切る長さを確認し、爪切りで切ります。切った後の爪の断面には、下側に角ができますので角だけを小さく切ります。犬によっては狼爪と呼ばれる、手首付近に爪がある子がいますので、忘れずに切りましょう。

< ポイント >
〇白い爪の場合は、目視で血管を確認できますので、血管の手前で切ります。厳密に言うと、爪を切らないでおくと血管も伸びてきますので、血管手前ギリギリで切るのが理想です(必須ではありませんが、角度は真横からみて30度で上向きにできるといいです)
 
〇黒い爪の場合は、最初の1本を少しずつ切り、血管の大体の位置を把握し切り詰めていきます。血管が近くなると、爪の断面の真ん中にぷくっとした白いものが見え始めます。その白いものが見え始める、または断面の真ん中の白いものが水っぽくじわっとしてくると、血管が近いサインです。

犬の爪を切っている

(3)次にヤスリをかけます。ヤスリをかける際にも、必ず爪の根元を固定してかけるようにしましょう。

< ポイント >
〇切った断面にヤスリをガシガシかけると、血管ギリギリで切っているので血が出てしまうことがあります。切った断面ではなく、その縁を一周するイメージでかけます。最後に指で角が残っていないかチェックをしましょう。

犬の爪を切っている

犬の爪切りの頻度とちょうど良い長さは

最近は室内飼いが多いため、爪切りは必須です。犬の爪は切らなければ永遠に伸び続け、巻いた形状になります。長い爪はパッド(肉球)を傷つけてしまったり、どこかに引っ掛けて爪が抜けてしまうなどの事故にもつながります。

ですので、頻度としては最低でも1ヵ月に1回は爪切りをしましょう。犬が4つの脚で真っ直ぐ立った時に、床につかない長さが基準となります。個体差がありますので伸びるのが早い子は、床にかちゃかちゃ当たった時点で爪を切りましょう。

爪の伸びる長さは、ライフスタイルも大きく関わってきます。本来、外で生活をしていた犬達は、走ることで自然と爪が削られていたので、爪切りをしなくても丁度いい長さを維持できていました。なので、よくお散歩に行く子や庭で飼われている子はそこまで伸びませんので、爪切りの必要のない犬もいます。

爪切りを嫌がる犬や、暴れる犬の対処法

爪切りを嫌がる主な原因とその対処方法をご紹介します。

〇足先を触られるのが苦手
足先は敏感な部位なので、触られるのが苦手な犬は多いです。触れるたびにビクッと反応する子や、触ろうとしただけで威嚇をする子もいます。そういう場合は、無理に爪切りを行なおうとしても暴れて、前より触るのが困難になってしまう恐れがあります。

まずはその子が嫌がらない部位から撫でて、その延長で足先まで触れる様にします。犬によっても嫌がる度合いが違いますので、その子に合わせたペースで進めていきましょう。普段のスキンシップから、意識して行うとより効果的です。

〇道具が怖い
臆病なタイプの犬にとっては、道具は不安の対象になる場合があります。爪切りは、切る時に音がしますので、びっくりしてしまう子もいます。

その場合は、爪切りの道具は怖いものではないと安心してもらえるように、道具に触れさせてみましょう。匂いをかいでみたりすることで、何でもないものなんだと認識できます。

触れさせる場合は、必ず飼い主さんがいる場所で行ってください。万が一、ガジガジ噛んで怪我をしてしまったり、おもちゃと勘違いしてしまうと爪切りがやりにくくなってしまう恐れがあります。

〇爪切りで痛い経験をした
以前に爪切りで嫌な経験をしている場合は、爪切りを見るだけで嫌がって暴れてしまうことがあります。本来爪切りは痛いものではないので、痛いものではないと安心させてあげる必要があります。

最初はどうしても嫌がってしまいますので、1本できたらOKなどハードルを下げて進めていきましょう。爪切りが難しい場合は、ヤスリだけでも構いません。爪切りは痛くないという、経験を積み重ねていくことが重要です。

〇足先に怪我や腫れがある
傷や腫れがあって嫌がっている場合があります。小さい怪我だと、毛量の多い子だと見落としてしまうこともありますので、必ず毛をめくり皮膚をチェックする様にします。

怪我や腫れがある時は、無理せず動物病院やペットサロンに任せてもいいでしょう。爪切りだけなら500円〜で行ってくれます。

< 安心させるコツ >
いちばんは声かけです。人間でも美容室などで施術を受けている際に、無言で水をかけられたり、シャンプーをされると怖く感じませんか?犬も同じで、無言で急に体を触られると不安を感じます。
慣れないうちは、爪切りに集中するあまり無言になっていることもあります。「足を触るよ〜」とか「ヤスリかけるよ〜」と子供に接するイメージで声をかけてあげられるようにするといいです。何を喋ったらいいのかわからないと言う方は、実況中継するのもおすすめです。

犬の爪切りをして出血してしまったら

犬の爪を切っている
愛犬の爪を切っていて出血をしてしまったら、慌てずにまずは圧迫止血をしましょう。飼い主さんが、慌てて不安になってしまうと犬も不安になってしまうので、落ち着いて声をかけながら行えるといいでしょう。

親指と人差し指で爪の根元を圧迫し止血します。これをしないと、どんなに止血剤をつけてもなかなか止まりません。そして出血した血をコットンまたはティッシュで拭き取ります。

この時に、拭いても出血が止まらない場合は、ちゃんと止血ができていませんので爪の根元の位置を確認します。そして、爪の断面が覆えるくらいの量の止血剤を指にとり、患部にすり込みます。大抵はこの方法で止血することができます。

1回で止血できるようにしてあげると、犬の痛みも最小限で抑えられます。

爪切りに爪を引っ掛けて爪が抜けてしまった、根元からグラグラしている場合などは、菌による炎症など二次感染の心配もありますので病院で見てもらいましょう。

止血後のお散歩ですが、患部が十分に乾いていればそこまで気にする必要はありませんが、もともと血管が長く地面についてしまう子の場合は、擦れて止血剤が取れてしまうことがありますので、時間をおいてあげると安心です。また犬が止血剤を舐めないように、気をつけてあげましょう。

伸びすぎてしまった犬の爪。血管も伸びてしまう!?

犬の爪を放置してしまうと、中の血管や神経も無限ではありませんが一緒に伸びてしまいます。一度伸びてしまった血管は切る以外には自然には戻りません。

ペットサロンなどで爪切りをお願いすると、飼い主さんから血が出てもいいと要望がなければ、大抵は血が出ないように血管の手前で切ります。

「血を出しても爪を短くした方がいいのか?」と飼い主さんとしては悩むところだと思います。そこで、1番大事なのは犬にとってどちらがいいかと言うことです。

基本、犬の爪は床につかない長さが理想です。それは、生活する上で爪がついてしまうと歩きにくく、それを補おうと変な歩き方をしたり、足が変形してしまう心配があるからです。

そして、爪が長いと犬が掻いたときに体を傷つけやすく、爪が引っ掛かるなどの事故に繋がる心配もあります。一緒に生活する飼い主さんも、愛犬の爪が長いと引っかき傷ができてしまいます。

ですので、犬が4つの脚でまっすぐ立ったときに床に爪が当たってしまうのであれば、一度その長さまで血管も詰めることをおすすめします。そして伸びすぎないように、維持することが大切です。月に1度は爪切りをするのと、お散歩に行くことは大事です。

お散歩は、爪の長さだけでなく足の厚みにも関係があります。よくお散歩に行く犬は足に厚みがあり、握りがしっかりとしていて、人の握り拳のような形をしています。

反対に、あまりお散歩に行かない犬は足の厚みが薄く、人が手のひらをまっすぐにした状態のような足をしています。薄い足だと、爪をすごく短くしなければならなくなります。爪切りだけでなく運動もセットで、犬が元気に生活できることを優先にしてあげるといいですね。

まとめ

    ・犬の爪切り必須道具【爪切り、ヤスリ、止血剤】を準備する
    ・出血したら慌てずにしっかりと圧迫止血する
    ・犬の爪は床につかない長さが理想
    ・爪と一緒に伸びた血管は自然に元に戻ることはない。定期的な爪切りを心がける