犬のお悩み体験談

犬と赤ちゃんの同居。共存するための対応策

犬と赤ちゃん
犬を飼っている家庭に赤ちゃんが誕生した場合、たいていの飼い主は「犬と赤ちゃんを同居させても大丈夫なのか」という心配に陥るようです。すでに成犬を飼っている家庭に新生児を迎える場合、犬を飼うことを諦めるべきなのでしょうか。

赤ちゃんと犬の同居について

かく言う筆者も犬と赤ちゃんの同居経験があります。しかし筆者の場合は、赤ちゃんが先住者で犬があとから。犬は子犬の頃から飼い始め、子供と共に育ったおかげか危険な思いをしたことはありません。一人っ子の息子には良き遊び相手となってくれました。

しかし先住している成犬がいるご家庭の場合、赤ちゃんが産まれるとなると心配になってしまう気持ちもわかります。とは言えそのような家庭はいくらでもありますし、まずはその心配を解消する対策をとればよいのです。

    <赤ちゃんと犬の同居に関する主な悩み>

    (1)赤ちゃんがアレルギーにならないか
    (2)衛生面は大丈夫か
    (3)咬みつかれたりしないか

以上のように犬を飼われている方が一番心配される懸念点は「病気」「衛生面」「事故」の3つに当てはまる悩みが多いようです。

なかには、お姑さんが赤ちゃんと犬の同居を反対するので悩んでいる。という声を聞くこともありますが、結局のところそれもお姑さんが病気や事故などを心配してのことでしょう。

それらの心配を払拭することが出来れば家族も安心しますし、赤ちゃんと犬も安全に同居を続けられます。では具体的にどんな事に気をつけたらよいのか、そしてその対処法も含めてひとつずつ整理していきましょう。

(1)犬と赤ちゃんの共存でアレルギーにならないか心配

アレルギー
家庭内にアレルギー性の病気を持つ人がいる場合は注意が必要ですが、そうではないのに「これから先、赤ちゃんが犬アレルギーを発症しないか心配」というのは取り越し苦労というものです。

そもそも動物アレルギーは、これまで何年も犬と一緒に暮らし大丈夫だった人であっても、今後発症しないとは限らない、いわば花粉症と同じように誰にでも発症のリスクがあるものです。

アレルギーとは体に異物(アレルゲン)が触れたり入ったりした時に、通常は免疫機能が働いてそれを排除しようとします。しかし何らかの異常で抗体が必要以上に生成されてしまい、咳や鼻水、くしゃみ、目の痒み、炎症などを引き起こしてしまいます。

ですから外よりも家の中で犬を飼うほうが、よりアレルゲンに接する機会が多くなり、アレルギー発症のリスクも高まります。それを回避するには、原因となるアレルゲンになるべく接触しないように工夫すれば良いのです。

    <アレルギーの原因となる主なアレルゲン>
    〇毛
    〇フケ
    〇排泄物
    〇分泌物
    〇抜け毛のかたまりなどに発生するダニ

    <アレルギーを予防するには>
    〇室内をこまめに掃除する。掃除機で抜け毛やフケを吸い取る、床を拭き掃除する
    〇空気清浄機を使用する。空気清浄機は週に1度位を目安にフィルター掃除もお忘れなく
    〇窓を開放して部屋の空気を入れ替える
    〇排泄物は早めに片付ける
    〇使用後のペットシーツは部屋の中に置かずに、密封して室外のゴミ箱に出す
    〇定期的にシャンプーし、こまめなブラッシングを行って抜け毛やフケを取り除く
    〇ソファやベッド、カーペットなどを共有しない
    〇素足で歩かずに靴下やスリッパを着用する
    〇犬の食器やおもちゃ、毛布などの犬用品は家族の物と一緒に洗わない
    〇犬に触ったり舐められたら必ず手を洗う
    〇衣服に付いた抜け毛は、コロコロなどで取り除いてから洗濯する
    〇犬を放し飼いにしない
    〇口移しや一緒に寝るなど、過剰なふれあいは控える

  

(2)犬と赤ちゃんが同居することで、感染症や菌など衛生面が心配である

動物を介して人にうつる「動物由来感染症」は相当数ありますが、ここでは「犬」からうつる可能性がある病気の一部をご紹介します。

<人にうつる病気 動物由来感染症>

病名病原体感染経路症状(人)
狂犬病ウイルス感染動物に咬まれる神経症状、呼吸困難、発症すると致死率100%
パスツレラ症細菌犬や猫の口内に常在している菌。咬まれる、引っ掻かれる等で感染傷口の腫れ、発熱、気管支炎、肺炎など
Q熱細菌感染した動物の糞尿や羊水、獣皮等に含まれる病原体を吸い込んで感染。ダニが媒介することも発熱、頭痛、悪寒、筋肉痛、肺炎症状など。感染者の50%は症状が現れない
エキノコックス症寄生虫感染した動物の糞中に排出された寄生虫の卵を、食物や水、手指などを介して経口感染肝機能障害など。自覚症状が現れるまでに数年~数十年かかる
レプトスピラ症細菌感染動物の尿で汚れた水や土壌を介して経皮、経口感染発熱、出血、黄疸、腎障害など
カンピロバクター症細菌排泄物で汚染された食品や水を介して経口感染腹痛、下痢、嘔吐、発熱、腸炎
回虫症寄生虫糞便中に排出された虫卵。経口感染肝臓、脳、目などに障害
カプノサイトファーガ感染症細菌犬や猫の口内に常在している菌。咬まれる、引っ掻かれる等で感染発熱、腹痛、頭痛、吐き気など。重症化すると敗血症や髄膜炎を起こすことも

    <感染を防ぐには>
    〇犬を触ったら必ず手を洗う
    〇口を舐めさせたり、顔をつけたりしない
    〇ペットの身の回り、部屋を清潔にする
    〇ケガをしているときにはビニール手袋を着用して排泄物を片づける
    〇使用後のペットシーツは部屋の中に置かずに、密封して室外のゴミ箱に出す
    〇食器を洗うスポンジを犬と共用しない
    〇台所で犬の食器などを洗わない
    〇口移しや一緒に寝るなど、過剰なふれあいは控える

犬の食器や排泄物が付着してしまった手など、台所で洗うのは避けましょう。野菜などを通して経口感染する可能性があります。

犬は家族の一員かもしれませんが、動物であることを忘れてはいけません。口移しをしたり舐めさせたり、同じベッドで一緒に寝るなどの過剰なふれあいは避けましょう。それが家族を病気から守るために大事なことです。

(3)赤ちゃんが犬に咬みつかれるなどの事故が心配

ベビーベッド

飼い犬に赤ちゃんが咬みつかれたりしないか。という心配は、そもそも犬を放し飼いにしなければ解消できることです。

赤ちゃんを祖母の家に預けているときに、祖母の家で飼っていた大型犬が、赤ちゃんを咬み殺してしまうという痛ましい事故が、日本で起こったことを記憶している方もいらっしゃるでしょう。

あの事故の場合は、赤ちゃんと犬が同居していたわけではありませんでしたが、もしものことを考えて心配になる気持ちはわかります。

室外で飼える犬種であれば、庭で飼うことも選択肢の一つでしょう。それが難しい犬種、もしくは家の中で一緒に暮らしたいのであれば、最低限「犬を放し飼いにしない」「ケージから出すときは絶対に目を離さない」ことで事故は防げるはずです。

赤ちゃんは高さのある柵付きベビーベッドで寝かせることで、万が一何かのミスで犬がケージから出てしまった場合のことも考えておけば万全です。事故は保護者の意識次第で防ぐことが出来ます。まずは環境を見直すことから始めてみましょう。

まとめ

    ・赤ちゃんがアレルギーにならないか
    ・衛生面は大丈夫か
    ・咬みつかれたりしないか
     
    これらの心配事を解消するポイントは、結局はすべて同じこと。過剰な触れ合いを控える、清潔を心がける、放し飼いにしないなど犬との関わり方を見直してみましょう。

筆者のひとりごと

幼少期から家畜に囲まれて育ち、その糞を燃料とし、生きていくために家畜が不可欠なモンゴルの遊牧民や、農村地帯に暮らす子、家畜小屋に出入りする生活をしている子などには、アレルギーが少ないという近年の調査結果があるそうです。

このように生まれた環境の中で、自然なかたちでアレルゲンに触れる機会がある子供たちは、知らず知らずのうちに細胞性免疫が増加し、将来アレルギーになりにくい体質を獲得することになります。

先進国である現代の日本に当てはめて考えるには、少し難しいと感じるところもありますが、必要以上に何でも抗菌を求め過ぎるのではなく、乳幼児期から適度にアレルゲンに曝露する機会があってもいいのかもしれません。

動物と一緒に過ごす時間の中で、子供たちは慈しみ、いたわり、喜び、悲しみ、沢山の心の動きを経験しながら豊かに育っていくことでしょう。

最後になりますが、家族から犬と赤ちゃんの同居を反対されて悩んでいる方に、イギリスのことわざをご紹介させて下さい。このことわざに感動の涙と勇気をもらいました。

犬と子供