犬のお悩み体験談

犬のトイレのしつけ方法とポイント

犬トイレ

犬を飼い始めるとまずはトイレのしつけ問題に頭を悩まされることでしょう。生き物である以上、トイレ(排泄)を避けては通れません。もちろん1日何回もの排泄をしますから、しつけの中でもトイレトレーニングは最重要になってきます。

ここでは犬のトイレトレーニングが上手くいかずに悩んでいる方にむけて、すでに室内で犬を飼う経験を持つ愛犬家の先輩方、40年犬を飼い続けている筆者の経験などから、実際にうまくいったトイレのしつけ方法をまとめました。

どうやら犬にも個性があり、苦労せずにわりとすんなり覚えてくれる子もいれば、根気よく何度も何度も繰り返し教えることで、少しずつ覚えていくのん気な子もいるようです。

でもどのご家庭に伺っても、最終的にはトイレをちゃんとできるようになっています。もう何年も教えているのに、いまだに覚えないと嘆いている人に私は今まで出会った事がありません。

犬がトイレを覚えてくれないと悩んでいる方も心配しないで下さい。飼い主が正しく教えることができれば、犬は覚えてくれるもの。あきらめずに根気強く続けていきましょう。

犬の習性

余談にはなりますが、犬にトイレを教える前にまず狼の習性について考察してみます。興味のない方はこちらの章は読み飛ばして頂いても問題ありませんので次の章にお進み下さい。

犬の祖先が狼であるという話はご存じの方がほとんどだと思いますが、人間と犬との歴史のはじまりは1万5,000年位昔に遡ります。かつて狩猟生活をしていた人間が、野生の狼を飼い慣らし家畜化したことが始まりではないかと言われています。

狼は北半球に広く分布する、ネコ目(食肉目)イヌ科に属する哺乳類動物です。狼はパックという数頭で形成される群れの中で生活しています。話が脱線しますが、群れるのを嫌って一人で行動する人を「一匹狼」なんて言ったりするので、狼は単独行動なのかとずっと思っていました。でもそれはパックに馴染めない狼が、その群れを出て一匹で行動するさまを例えて言っている言葉らしいです。

狼は基本的には群れを形成し、その群れごとに縄張りを持っています。その縄張りを示すために、尿でマーキングをしてテリトリーを示す習性があります。縄張りを誇示する必要があるというわけです。犬がおしっこでマーキングをするのも、その狼時代の名残だということが想像できます。

犬を散歩に連れて行くと、後ろ足を上げて電柱などのなるべく高い位置におしっこをかけようとする姿を目にします。「自分は大きくて強い犬なんだぞ」とアピールするためです。

また狼の親は子供が産まれると、その子の糞を食べて巣穴を清潔に保つ行動をします。巣穴で排泄すると、その排泄物の臭いで他の動物に自分の居場所を知らせているようなものです。つまりは巣穴(寝床)に排泄するのを嫌います。

狼は自分の巣穴から離れた場所に排泄をする習性があります。人の手により何世代にも渡って飼育されてきた歴史があるものの、狼、つまりは犬が野生だった頃の本能及び習性の部分にトイレトレーニングに繋がるヒントがあると考察されます。

オオカミ

犬のトイレ設置場所とポイント

ケージの配置例

ではまず巣穴に排泄をしない狼の習性は理解できました。ということは犬のトイレも巣穴、いわゆる寝床とする場所の近くに置かないほうが良いということです。寝床を排泄物で汚すのを嫌うのですから。

トイレトレーニングに苦労されているという方、寝床のすぐ横にトイレ、そのまたすぐ横にエサというぎゅうぎゅう詰めの配置になっていませんか?

犬が普段過ごしている寝床がリビングにあるとしたら、寝床から少し離れたリビング内の場所、例えば寝床とは反対側の壁際などです。できれば、落ち着いてできるように、部屋の隅っこやタンスの陰などに配置できると尚望ましいです。

トイレの場所を寝床から少し離すとはいっても、最初はあまり遠すぎない場所に設置したほうがしつけがしやすいです。トイレだけ廊下に置くなど、いきなりではハードルが高くなってしまうので、適度な距離にします。

また、家族全員が家を留守にするご家庭では、犬をケージで留守番させていると思いますが、その場合のトイレ設置場所は、ケージ内の寝床から離れた一番遠い場所にします。

犬トイレ
ケージで留守番させている場合は、スペースにゆとりのある大きめな連結式のケージなどを利用し、トイレのスペースをはっきりと区切り、尚且つ寝床から離すことがポイントです。

部屋に余裕があるご家庭であれば、ケージではなく部屋の一角を柵(フェンス)で囲うなどして犬専用のスペースを確保します。そのスペースの隅にトイレの場所を設けます。その場合はトイレの周囲をサークルなどで囲い、出入口だけを開放しておきます。
犬トイレ

ケージでも部屋でも考え方は同じで、トイレの場所は寝床から離す、そしてトイレの周囲を囲うことで、普段過ごすエリアとトイレの場所を明確にした環境を整えることが上手くいくポイントです。

犬のトイレのしつけ方

上記で説明したように初めてトイレを教える際には、このようにトイレの周りをサークルなどで囲ったほうが、トイレの場所だということを犬が認識しやすいほかに、おしっこやうんちのはみ出しの失敗が少なくなるという利点もあります。

トイレの大きさは基本は犬の大きさにあったものを用意しますが、経験上トイレを覚えるまでは、なるべくトイレの大きさにも余裕を持たせたほうが失敗が少なくなります。最初は大きめのトイレシーツや、複数枚使用して広めにトイレを作ります。

またトイレトレーニングが終わるまで、トイレの場所を移動しないようにして下さい。まずはその場所で上手に排泄が出来るようになってもらいましょう。

方法1 犬がトイレをもよおすタイミングに声かけ

犬は寝起き、食後、水分補給後、運動後、興奮した時などに排泄のタイミングが訪れます。余談ですが我が家の愛犬は、私が仕事から家に帰った時に興奮してうんちをする習慣があります(笑)なので毎日私が家に帰ってまずやる事が、愛犬のホカホカうんちを片付ける事です。私の帰りを興奮して喜んでくれるのは嬉しいのですが、ありがたいような、ありがたくないような・・・

ではさっそく上記のタイミングで、犬をトイレサークルに誘導するところから始めましょう。寝起きや食後などのタイミングを見計らい、できればトイレサークルに自分から入るよう仕向けて下さい。無理なら最初のうちは飼い主が連れて行ってしまって構いません。

トイレで上手に排泄出来るようになるまでは、トイレサークルから出られないようにドアを設置して、出入口を閉めてしまって構いません。

サークルの中に入れたら、何か簡単なかけ声の言葉を決めて、排泄を促す時には必ずその言葉で優しく声かけするようにします。ちなみに我が家では「シーシーして。シーシーして」と繰り返していました。

言葉は毎回、同じ言葉にします。変えてはいけません。自分で忘れないような言葉、そして複雑ではない響きの言葉、例えば「イチ、二、イチ、二」とか「チッチ、チッチ」のような感じに、自分でも言いやすく犬にもわかりやすい響きの言葉を決めて下さい。

トイレで排泄出来た時にはすぐに「おりこうさんだね~!おしっこできたね~」「上手にできたね~」などと大げさなくらいに褒めてあげること。ごほうびにおやつをあげたり遊んであげたり、その犬が喜ぶような事をしてあげます。

毎回トイレのタイミングをうまくキャッチして、この行動を繰り返していくうちに、犬も「あ。ここでおしっこすると褒めてもらえる。遊んでもらえる。おやつがもらえる」と学習し、トイレでおしっこすると嬉しい事があると記憶し、自分からすすんで行くようになってきます。

もしトイレに入れて数分経っても排泄しそうもない場合は、サークルから一旦出して次の機会にまた同じようにトライします。排泄したくないのに長く閉じ込めないようにして下さい。

方法2 トイレコマンド(声かけ)から植え付け

この方法をほかで提唱しているのを聞いたことはないのですが、筆者が飼っていた愛犬の中に以下の方法でトイレのしつけが上手くいった犬がいたのでご紹介します。

一般的には「方法1」で教える方がスムーズですが、うちにはその逆の流れでトイレを覚えた愛犬がいました。逆と言うのは、犬をトイレに連れて行くのではなく、犬が勝手におしっこをし始めたら「シーシーおりこうね~!」と言葉をかけ続けるというものです。

散歩中でも家でも、とにかく犬がおしっこやうんちをしているのを見つけたら、おしっこしている間中、ず~っと繰り返しその言葉をかけ続けます。そしておしっこを出し終えたタイミングですぐに大げさに褒めながら撫でまくります。

どうしてこうしたかと言うと、この時仕事が忙しくて留守がちなために、トイレトレーニングにあてるまとまった時間が取れなかったのです。それでもお散歩は毎日行っていましたので「排泄=シーシー」を教えるようにしたのでした。

方法1ではトイレをもよおすタイミングに犬をトイレに連れて行き、そのあとに声かけをして排泄を促すというものですが、方法2は犬が勝手におしっこをしている時に、声かけを繰り返し聞かせています。なので場所もトイレではなく、犬が勝手に決めた場所です。場所を覚えるより先に、言葉を覚えたとイメージして貰えばわかりやすいかもしれません。

それを毎回続けていると「おしっこをする」=「シーシーおりこうね~(褒められる)」と学習します。そのうち順番を逆にして犬がおしっこするよりも先のタイミングで「シーシーおりこうね」と私が言うとソワソワし始めるようになりました。

そして更にはその声かけを聞かせると、おしっこするようになりました(もちろんこの声かけをするタイミングは上記で説明したとおり、犬が排泄をもよおす時間に合わせて行うことで効果を発揮します)

トイレコマンドを先に覚えたので、あとはトイレに連れて行ってそこで声かけをして場所を覚える練習をしました。

「方法1/方法2」は結局は同じことで、アクションの順番が異なるだけなのですが、方法1で上手くいかないワンちゃんは試してみてはいかがでしょうか。

いずれにせよ、トイレのしつけで大事なポイントは犬の「習性」と「排泄のタイミング」をおさえることです。あとは犬にも個体差や性格があるので、焦ることなくその子に合ったやり方を一緒に探していけばよいのではないでしょうか。

犬トイレ

犬のトイレトレーニング期間は短期集中で

子犬をペットショップから迎える方もいれば、保健所などから成犬を引き取る方もいらっしゃいます。犬を我が家に迎えるタイミングは、ご家庭の事情により人それぞれでしょう。室内で飼うのであればトイレトレーニングが必要ですが、成犬であっても悩む必要はありません。

もちろん、子犬のうちに教えるのと成犬になってから教えるのでは、覚える時間に差が出てしまうかもしれませんが、個体差などもありますし、あまり深刻にならず犬を我が家に迎え入れたその日からさっそくトイレの練習を始めていきましょう。

また共稼ぎなどで犬だけで留守番させるご家庭であっても、ご家族で協力したり、週末や長期休暇などを利用するなどして、できればトレーニング中はつきっきりでじっくりと短期間に集中してしつけていくのがベストです。

トイレのしつけは日によってやったりやらなかったり、ダラダラ時間をかけるのはNGです。毎日続けることが大事です。

犬のトイレトレーニング、ちょっとした工夫

このほかにも犬のトイレトレーニングで大事なポイントをまとめておきます。

1つめ

もし犬がトイレを失敗してしまった場合でも、怒るのはやめましょう。感情的になって怒鳴ったり体罰を与えたりしてはいけません。犬と飼い主の信頼関係が崩れてしまうと、今後のトレーニングに悪影響を及ぼします。

犬は排泄する行為自体を怒られたと勘違いして、ますます飼い主に見つからないような場所で排泄したり、我慢して膀胱炎になってしまう犬もいます。

2つめ

床などにおしっこを漏らしてしまった場合、その場所が排泄場所だと認識させないために、ペット用の消臭・除菌スプレーなどで掃除して、臭いが残らないようにして下さい。

3つめ

ペットシーツ(トイレトレー)の大きさに悩んでいる方がいたら、犬がシーツの上でくるくると回れる位の大きさで試してみて下さい。あまり小さいとせっかくトイレで排泄してくれたのに、うんちがシーツからはみ出してしまいます。

その犬の体の2倍以上の大きさを目安にするとよいと思います。また、ホームセンターなどのペットショップで売っている、ペットシーツのパッケージに大きさの目安が書いてありますが、微妙な差で迷ってしまったら、大きめのほうを購入するとよいでしょう。

とくにトイレの練習中はスペースに余裕をとってあげたほうが上手くいくと思います。大は小を兼ねるです。

4つめ

犬がトイレを覚えるまでは、犬のおしっこの臭いをつけたティッシュやペットシーツの切れ端などを、トイレの上に少し残しておくとよいでしょう。うんちの場合は踏んでしまったり不衛生なので、その都度新しいものに取り換えます。

まとめ

    ・トイレの設置場所は犬の習性を利用する。寝床のすぐ近くに置くのはNG
    ・犬の排泄のタイミング「寝起き、食後、水分補給後、運動後、興奮した時」などにトイレに誘導
    ・トイレコマンドとなる言葉をかける。言葉は毎回同じもの
    ・トイレが上手くできたらすぐさま褒めてあげる。タイミングが大事
    ・失敗した時には絶対に怒鳴ったり体罰を与えてはいけない
    ・床などに失敗した場合は、その場所に臭いが残らないようにしっかりと掃除する

ちょっと一言

室内で犬を飼うご家庭にとって、犬のトイレトレーニングは最重要なしつけの一つだと思います。飼い主があきらめてしまったらおしまいです。犬との信頼関係を築き、上手くいかない時でもあせらずに根気よく教え続けていくことがポイントです。